やっと完結!“阿修羅のごとく” 2006.10.31
はーい。 お待たせ致しました。 “阿修羅のごとくPart2” 前回の続きです。 実は毎回このDiaryを楽しみにしてくれている、勝又さん役の渋谷哲平さん、阿修羅はいつかいつかと心待ちにしていたある日の事・・・。 8月のDiaryを読んでて、机にアゴをぶつけたって。 やっと舞台の事が書いてあると思ったら、近況報告で終わって次回へのところで、肘ついてたのがガクッとなったって。(笑) ハハハ、やっとDiary完結しますよ! 不器用で生真面目で潔癖症の三女、滝子の役作り・・・何となく私の中では、少しジメッとしたイメージがあったのですが、この舞台では「かなりサバサバしたキャラクターで」と演出の西川信廣さん。 意外でした。 約2時間半の枠に原作を収めるにあたって、全体の流れをテンポよく、そして悪気たっぷりのユーモラスなギャグとドキッとするテーマを交えながらの展開に、そのサバサバが実に生きてくる。 でも、いつもスロースターターの私だけに、お稽古場でイメージを掴むのに時間が掛かりました。 特に今回は再演の作品にニューキャストとして参加させて頂いて、転校生の様な気分でしたし。 が、しかし、そんな初参加の私に、記者会見の時、山本陽子さんと中田喜子さんから「前の物は前の物として、新しい作品をこれから一緒に創って行きましょう。」と言って頂いて心強かったです。 Diaryを読んでいて、アゴをぶつけた渋谷さんも細かなリアクションをキチンと受け止めて下さるのが、とても安心していられました。 一幕は、父親の浮気に対しての怒りや、自分の支えになってくれている身近な男性に対して、素直になれないぶっきらぼうさ。 そして、姉妹の“反りの悪さ”を全面に。 ファッションも、地味なモノトーン系に、センスの悪いコーディネート。 やぼったいコートの下から、わざとスカートの丈を見せたりと、衣装合わせでも拘りました。(笑) ヘアーにもあまり関心が無い感じの1本のひっつめに前髪、パッチン留め。 そして、大きなフレームのメガネ。 そんな彼女が、二幕では人並みに恋をして結婚。 ぶっきらぼうさを無くし、少しずつ女らしさを表現するその変化は、演じていて楽しかったです。 女性はその心が、声のトーンやファッションにも影響を与えるので、メガネを外して、ヘアースタイルも変えて、明るめの洋服を着たりと。 異性にも心を開くようになり、バラバラだった姉妹の気持ちもひとつに。 色々な事を乗り越え、本物の家族へと。 作品の中で、一人の女性の成長、そして、ぶつかりあっても本当に助け合い、支え合う家族に成長する事の素晴らしさを体感出来て本当に良かった。 人生に最も影響力のある作品に出逢えました。 “女を阿修羅にするのも菩薩にするのも男次第”ラストに出てくるこのセリフ、この一言に尽きます。 全ての女性の心の叫びや願いが集約されたこの言葉。 男性と女性は、生き物の質が違うんだと分かっていても、解決策が見つからない。 これは永遠のテーマですネ。 質の違いは一生交わらずとも、その男女が寄り添う事で平行線の距離をいかに縮められるか。 お互いを求め合い、家族が生まれ、支え合い、生きて行く。 正直、結婚に対してあまり良いイメージを持てない私。 果たして、結婚後に本当に幸せになった人って、どれくらい居るのだろうか? 少なくとも、私の周りの人達は、殆どが疲れている様に思える・・・。 一生一人で生きてる方が楽なのか・・・? いや実際、じゃあ苦労の多かった母は不幸なのか・・・。 必死に生きて来た母親のもとに生まれて来た私も不幸なのか。 いや・・・やっぱり家族と共に生かされている事に感謝せずにいられない。 母だってきっと同じ事を感じていると思う。 独身で、色んな事を問い掛けて来た私に、いいタイミングで、向田先生が、背中を押してくれた様な気がする。

今回、地元という事で、たくさんの方が足を運んで下さいました。 保育園、小・中・高校時代の先生方や、先輩、友人、ご近所の方々、そして今年、古希になる母の小学校時代の友人の方々も。 楽屋でお会いした時に思わず涙がこぼれました。 60年以上経ってもこんな風に縁があって、元気に過ごせている事の素晴らしさに。 そしてカーテンコールでは、毎回、劇場に足を運んで下さった方々の拍手に勇気付けられ、力を頂きました。 “ありがとうございました” この作品同様、実生活でも四人姉妹の私が、地元福岡で、育んでくれた街で、家族劇をやらせて頂くと言うのは、本当に感慨深いものがありました。 家族の愛おしさ、煩わしさを全身で感じながら演じたこの一ヶ月間を私は生涯忘れられません。
HIROKO

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