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感動の千秋楽 2002.8.30

七月に幕が上がった「とげぬき音楽隊」、おかげさまで8月28日に無事に千秋楽を迎える事が出来ました。
観に来てくださった方々、そして温かく励まして下さった方々、本当にありがとうございました。
周りの人から「終った次の日はガックリくるだろうねぇ〜」なんて言われていましたが、まだ終った事が信じられなくて“ガックリ”じゃなくて“ポッカリ”。

千秋楽の3日前くらいから「千秋楽が近づいている〜」と思ったら、急に力が入っちゃって、いつものペースが一瞬崩れてしまった。そして千秋楽の前日、プロデューサーにそのことをお話したら「最後だと思わなきいいんだよ。また明日も続くと思えば。」と。そうだぁ!!それはいい考えだ。「悔いのない様にしようと思ってるんでしょ?」という問いにドキっとした。だって本当にその通りで、私の心そのままを言われちゃった。頑張りすぎる性格にはそれくらいでちょうどいいのよね・・・。そう心がけていても、やっぱり最初の方はキンチョーしてた。少しずつゴールが近づくにつれて、自分らしくなれたから良かったケド。一番心配していたのは、幕が降りる前に感極まってセリフが言えなくなる事。プロとしてあるまじき行為(笑)。初舞台で不安だった自分と、中高年の先輩に音楽を通じて励まし自分も挫折しながら心通わせる役柄の“鈴木なつき”の成長がまるっきり重なっていたので、ラストのほうのセリフ一言一言が今の自分そのままだった。だからプロデューサーにも「泣いちゃだめだよ、カーテンコールまでは・」といわれてました。実際は・・・もちろん最後まで鈴木なつきを“私のなつき”といつもの様に演じることができました。そしてキャストの皆さんの生演奏による、会場の方々との♪ふるさと♪合唱は感動の嵐。いつもお客さんが泣きながら唄っていましたが、この日もみなさん、うなずきながら涙のエンディング。タクトを振る私もさすがに涙腺がやばくなって・・・。ラストのカーテンコールでのご挨拶で、張り詰めていたものが緩みました。2ヶ月間の長丁場を乗りきれたという達成感で胸がいっぱいで。

お稽古の時からキャストの先輩方が「何かあったらみんなで助けるから、大丈夫!」とお声をかけていつも励まして下さったり、裏方のスタッフの方もいつも和やかな空気を作って下さいました。幕が上がって、身体がヘトヘトでもお客さんの笑顔・涙・拍手・歌声を肌で感じて元気になれました。こんな愛情あふれた初舞台を踏ませて頂いた私は幸せ者です。生まれて初めての不安と喜びを味わった2002年のこの夏、私は一生忘れる事が出来ません。2ヶ月間やり終えた“充実感と孤独感”で今、何とも言えない自分がいます。

何だろう、この淋しさ、たまりません。もうこのまま誰とも会えないんじゃないかという錯覚に陥ってしまいました。次の日の朝もいつもの時間に起きてたし。3ヶ月はやっていたかった。身体はまだまだ♪とげぬき音楽隊♪モード。心は空虚。でも早速次の日からTVの収録のお仕事があったので、ポッカリが少し救われた。

キャストのみなさん、スタッフのみなさん、そして会場のみなさんといっしょに作っていったこの♪とげぬき音楽隊♪は一生涯の宝物・・・。


HIROKO


「千秋楽へのカウントダウン」 2002.8.23

いよいよ始まりました。千秋楽へのカウントダウンが。最後の幕が降りる日が近づくと共に秋めいてくるというのも、切なさが増します。残すところあと5日、8公演となったこの「とげぬき音楽隊」。もう、一日一日が愛しくてたまりません。
 
先日、福岡から姉と甥っ子(小6)が公演を観に来てくれましたが、終演後姉は「いや〜、感動したぁ〜。妹が出とうけんじゃなくて、ストーリーと役者さん達に純粋に感動したぁ。」とコーフン気味。私には3人の姉がいますが、その中でも一番クールな姉がこんな風に言ってくれるのは珍しい事。もっとびっくりしたのは、その日の夜に甥っ子が「もう一回観たい!」と。その動機が気になった私、彼に質問してみたところ非常に嬉しい答えが返ってきた。
「ひろ姉ちゃんが出とうけんもう一回観たいと?それとも舞台がもう一回観たいと?」
「ひろ姉ちゃんの事はいつでも見れるやん、僕は劇がもう一回観たいと!!」
私は固まった、感動で。確かに最初の観劇のきっかけはおばの私が出ているからという事だけど、まさか“作品をもう一度観てみたい”と返ってくるとは思わなかった。さらに何が彼の心を動かしたのか気になった。
「どこがおもしろかったと?」
「ひろ姉ちゃんが指導して老人達が一生懸命演奏するところ。」
みんなの一生懸命が小学生にも伝わった。こんなに嬉しい事はない。キャストの方々の演奏はお芝居でなくストーリーそのもの。お稽古から今日まで、まるでドキュメンタリー舞台の様で、タクトを振っている私も役と自分自身が重なって、毎回こみ上げてくるものがある。
 
早速彼はもう一度観ることに。しかも泊まっていた私のマンションから一人でタクシーに乗って芸術座へ。右も左もわからない東京なのに・・・。その日は九州に帰らなくてはいけなくて、姉は準備でバタバタ。にも関わらず彼ったら・・・。おばの私も泣ける。大人にまじった小さな小さな一人のお客さんが大きな大きな感動をくれました。

こうやって2ヶ月近く、毎日同じ事を続けていけるのは、生のお客さんの息遣いを感じられるからです。大先輩や友人達もたくさん観にきて下さいましたが、愛川欽也さんと中村玉緒さんはアンコールの時に客席のどこにいらっしゃったかすぐにわかりました。一緒に大きな口をあけて一生懸命唄って、泣いて笑って、拍手して下さって・・・。この様にお客さんのダイレクトなリアクション、本当にありがたいです。
千秋楽をとにかく無事にみなさんと迎えられる様、残された日々大切にお届します。


HIROKO


17年前の今日に… 2002.8.7

7月4日から始まった♪とげぬき音楽隊♪も、あっという間に“中日”(折り返し地点)を迎えました。暦の上での2ヶ月は長いと思いましたが、身体のカレンダーは加速しています。予想以上に駆け足だった1ヶ月。何だかもう淋しい気分になってきたぁ(笑)。今は目の前の1日1日に気持ちを向けて、8月28日の千秋楽まで大切に過ごすのみです。毎日同じ事の繰り返しだけど、全く飽きません。初舞台でこんなにも登場人物に、作品に共感できて、恵まれています。お客様の反応が、その時々で違うのも新鮮だし。最近、リピーターの方が増えてきたというのがよく分かります。だって…オチの前でもう既にクスクス笑ってらっしゃる方が。かと思えば…これはスタッフに聞いた話なんだけど、休憩の時ロビーで、おば様がお連れのお友達に「後半からはハンカチを用意しとくのよ!ウルウル来るから」と伝授していたそうです。ありがたい事です。

長期公演だと失敗も多々あって…最初の登場のシーンのところで、私が舞台の中央に入って来るやいなや、キャストの方が突然セリフに詰まって慌てていたので、「?大丈夫かしら?」と心配していたら、原因は私に。何と、首にてぬぐいを巻いたまま、私ったら登場してたの!すましたまま。喉を冷やさない様にと、スタンバイの間“やすき節(どじょうすくい)状態”で居たんだけど、外すの忘れたのよォ。しかも、切れ端には糸いっぱい出てるし(笑)。それに気付いたキャストの方が、私に近づいて来て、小声で腹話術の様な口調で「てぬぐい、てぬぐい」って教えて下さったので、慌てて後ろ向いた瞬間に、取って脇の下に挟みましたヨ!!ハハハ、気分はスカーフ、スカーフ(ダメかぁ…)。その数日後には、腕にごはん粒つけたまま登場したり…。ハハハ、気分はパールのアクセサリー(違うかぁ…)。芸術座ってお客様がとても近いので、前の席の方にはバレちゃう。結構落ち込みやすい性格なので、こうやってハハハとか言いながら反省してます。あと身体がツライ日の乗り切り方はですね、あるんですよ、コレが。
  “自分史を振り返る”
「数十年前に福岡で生まれ、人それぞれの人生山あり谷ありがあって、17歳でデビューして、色々あったけど、今こうやって私は大きな事に挑戦させて頂いている…全ての出会いに感謝しながら。」
そんな事を思いながらスタンバイしていると、涙が出そうになるけど(笑)、シャキっとなる!そして、今日8月7日は大切なアニバーサリー。森口博子として17回目のBirthday。デビューして初めての夏と同じ位、今年の夏も“濃くて熱い”。忘れられないでしょう。初心を連れて来てくれる夏が私は大好き。
いつも“待っててくれる”大切なあなたへ、心を込めて
  “ありがとう。”

HIROKO

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